目次

1.装具や手術をしなくても改善する!
2.「結果」には必ず「原因」がある
3.現代医学の問題点
 3-1.定期検診を受けても進行はくいとめられない
 3-2.背骨の固定手術で将来の問題をつくる
 3-3.運動療法や民間療法は効果がない?
4.おわりに
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装具や手術をしなくても改善する!

大切なお子さんの背骨が曲がっていく病気「特発性側弯症」。
「側弯症」と医師から診断が下され、例え早期発見で背骨の曲りが軽度であったとしても「原因不明」ということで何も治療方法がないのが今の整形外科です。

背骨の曲りが進行したらつらい装具を着け続け、それでも進行したら手術しかない。

「原因がわからない…打つ手がない…。えっ、装具、手術!?」
「背骨がどんどん曲がっていったらどうしよう…」
「可愛い我が子が成長とともに背骨が曲がっていくのを、ただ指をくわえて見守るしかないのか…。なんで私の子どもが…」

側弯のお子さんも、親御さんも、そのショックは計り知れないほどの大きいものがあります。「どうかどうか進行しないように…」と願い、先の見えないつらい日々が続きます。

昔から側弯症を改善させていた治療はありました。
しかし、そんな治療法は科学的根拠がないとされ、日本の医学、医学会では一切認めませんでした。

ところが、ドイツの病院で、理学療法士(PT)が運動療法や生活指導で側弯を改善させ、側弯症は手術をしなくても改善することができることを実証(上図)したのです。

そればかりではありません。
今、最も側弯の治療として薦められている「手術」に対して、ドイツの整形外科医や良心的な日本の医師たちは「背骨を固定して動きが悪くなることで、将来的にどのような後遺症がでるか全くわからない」と警鐘を鳴らしています。

「結果」には必ず「原因」がある

手術をしなくても側弯が改善する。その実例をあげて説明します。

30代の側弯症の患者さん。
側弯が発見された10代から定期検診で大学病院にずっと通院をされていました。装具も作られたけれど改善は見られなかったそうです。
側弯が60°になり、腰痛がひどくなったので「側弯を改善するには手術しかない。次の診察日までに手術をするかどうか考えておいてください」と側弯症専門外来の医師から告げられたそうです。

そこで、大々的に側弯治療をうたっている他の民間療法を受診されました。けれども、まったく効果がなく、わらをもつかむ思いで当院に来院されました。患者さんはとても疑心暗鬼だったと思います。

数回の治療で腰のコブの左右差が目立たなくなったので、ご家族にも確認していただくように告げると、次の診察の時に「家族からきれいになっていると言われた」と嬉しそうに話されました。

8回治療後、いよいよ運命の大学病院の受診。

レントゲン写真で最大60°あった側弯が44°に改善していました。側弯専門外来の医師は、レントゲン写真を何度も何度も首をかしげながら測り直したそうです。医学の常識では、側弯症は進行しても改善することなどありえないからです。
あれほど手術を強く薦めていた医師から、手術の話は一言も出なかったそうです。今は腰痛もありません。

※レントゲン写真は大学病院で撮影されたコピー

病院の診察では、側弯症の診断はレントゲン写真などの画像所見が基本です。 

しかし、背骨の変形の原因を考える当院の検査には、患者さんから日常生活の様子を聞く「問診」。体の各関節の動きや筋肉の硬さ、背骨の傾きやねじれを診る「触診」。姿勢分析や歩行分析、関節の形状などを診る「視診」などもあります。

このような 所見を丁寧に時間をかけて診察していくと、前後左右で異なり、不均等になっている問題の箇所がいくつも出てきます。このような箇所を見つけてあげて、前後左右均等になるように整えてあげると、このように側弯は改善していくのです。

病院(側弯症専門)では、このような丁寧な検査や診察をせず、背骨が変形する原因となるさまざまな可能性について一切診てこなかったことが側弯を進行させる結果につながっています。
現代医学の側弯症の考え方が「変形の進行は仕方がない」「進行したら治療法は装具か手術」というマニュアルの流れになっていることがとても怖く感じます。

現代医学の問題点

定期検診を受けても進行はくいとめられない

学校の検診で「側弯症」が見つかり、整形外科のレントゲン写真で確定診断されます。
レントゲン写真は、その子の「今の背骨の変形の状態」は確認できます。あくまでもレントゲン写真は今の変形の「結果」です。整形外科の3~6カ月の定期的な経過観察でレントゲン写真をいくら撮り続けても、その子の背骨の変形の進行の状況「結果」がわかるだけで、変形の進行は止められません。

公益財団法人東京都予防医学協会のホームページの中で

『手術では成長が止まった段階で最終的に骨を削って、複数の脊椎が盤状になるよう固定し、それ以上、側弯が進むのを防ぐ方法をとらなければならず、脊椎の機能から考えると治療法自体が完全なものではありません。ですから、手術はいまだ「せざるをえないからするもの」ということになります。
また、よく「25°になるまで治療はできないのか」「それまでは手をこまねいてみているしかないのか」という質問をいただきます。しかし、特発性脊柱側弯症の場合、決め手になる予防法や矯正法はないのが現状だといわざるをえません」』

と正直に述べられています。

レントゲン写真では、その時の背骨の変形の進行状況はわかりますが「原因」はわかりません。
原因を何一つ取り除かず、治療もなされず、「経過観察」という名で放置されるから変形は進行していくのです。

また、「原因」もわからず、やみくもに背骨の形だけ無理矢理に整えようとする「装具療法」も、改善する方向に向かうことはありません。

装具療法で矯正力そのものへの期待は決してしないこと、および悪化しない要素のみである」と日本側弯症学会の側弯しおりに概説されています。

背骨の固定手術で将来の問題をつくる

インターネットや本などで側弯症の手術の成功例が記載されています。それは素晴らしい手術だと思います。

でも、ちょっと考えてみて下さい。

私たちの背骨は「柔軟に動く」ことと「しっかり固定(支える)」ことの相反する二つの動きが十分にできて、はじめて「正常」な体の働きが約束されるのです。背骨の「柔軟の動き」があるからこそ、手足の運動だけでなく、呼吸、脳脊髄液や血液の循環、腎臓や胃腸など内臓の働きが「正常」に働きます。

手術では変形した背骨の骨と骨の間にインプラントと呼ばれる金属を埋め込み、変形を矯正した状態で固定されるので、手術を受けた部分は背骨の動きはとれなくなります。

矯正手術により「体の動きが低下する」。例えば、背骨が硬くなるパーキンソン病や老人のように、手足の運動機能が低下するだけでなく、肺・心臓・脳・腎臓などすべての機能が低下する可能性もあります。

ドイツの医学博士:K・F・シュレーゲル整形外科医は、

「手術の矯正後の脊柱の大部分が固定されることが理想的な治療といえるだろうか?高額な治療費をかけて美容的矯正手術を行った結果、側弯は軽減しても脊柱を固定された患者は、矯正手術を行わなかった場合に比べて、生命予後は良好だろうか?労作負荷や能力という観点から見た手術の正しさについても、研究されておらず、まだ証明もされていない」

と述べられています。
公益財団法人東京都予防医学協会のホームページにも、

「手術によって脊椎の一部を固定すると、その上下の部分にどうしてもストレスがかかります。手術の治療によって側弯症の進行は抑えられても、その後、腰痛や背部痛に悩む人は少なくありません」

と記載されています。

他にも、脊柱側弯症の矯正手術による後遺症として最も大きなものは「手術の傷」です。

側弯症の手術の場合は、傷が約20~40㎝ほどでかなり長いものが残るといわれています。見た目がひどくなるわけではありませんが長いので目立ちます。傷に対する強いコンプレックスをもってしまう子供もいます。これは確実に避けられない後遺症です。

一時的な背骨の美容を求めた結果、将来に大きな問題を抱え込むことになる可能性があることを知って下さい。

運動療法や民間療法は効果がない?

25年前、私は病院で理学療法士(PT)として、整形外科を含むリハビリテーション科に勤務していました。
日本側弯症学会のしおりやホームページに書かれているように、当時は「側弯症には運動療法は効果がないし、装具もほとんど効果がない。民間療法なんて何の科学的根拠もないエセ治療だ」と私も思っていました。

変形性膝関節症・変形性股関節症、そして側弯症などの「変形」の進行する病気は、病院で今まで習った治療を続けても、改善することはまれで、まったく無力でした。

行き詰まり悩んだ末、さまざまな民間療法の勉強会へ研修に行きました。

そこで驚かされたのは、今まで病院では決して治らなかった病気や背骨の側弯が改善したり、変形性膝関節症の人が正座までできるようになったり、手術が必要だという変形性股関節の人が治ったり…といった驚くべき現実です。
それも、体のバランスを整えるだけで…。

その後、自ら治療院を立ち上げ、治療を重ね、病院時代では治せなかった病気の患者さんを治していくうちに確信に変わりました。

20年以上治療院で治療をしていると、側弯症の患者さんとも長い付き合いになります。病院のリハビリテーション科ではなかなか同じ患者さんと10年以上関わることはありません。10年以上側弯症の患者さんを診ていると、皆さん確実に改善して、一例も悪化された患者さんはありません。御家族も御本人も実感できます。

では、治療効果をあげても、なぜマッサージ・運動療法などの民間療法は科学的根拠がないと言われるのでしょうか?
民間の臨床治療の場合はレントゲン撮影などができません。医学会で発表する機会がありません。しかし、確実に治療効果をあげているものはあります。

といっても、残念なことにインターネットの世界になり、医師が指摘するような偽りの治療をうたっている民間療法が多すぎる悲しい現実があるのも事実です。

おわりに

側弯症は骨の変形ということで、レントゲン写真をパチッと撮影して、はい終わりでは何一つ解決しません。

患者さんの些細な関節の動きの違い、筋肉の張り感の違い、姿勢や歩行などの問題を丁寧に見つけだして、整えてあげる。

また、患者さんの日常生活の様子を丁寧に時間をかけて聞いて、問題のある習慣を正してあげる。

そんな骨の折れる診療と治療を長く繰り返す中でしか「原因」は見えてこないし、改善させることはできません。

いつの日か、側弯症の子どもたちが、苦しくつらい「装具」を着けずに済むように、きれいな皮膚に20~40㎝の手術の後を残さずに済むようにする。そんな強い決意で側弯症のホームページを立ち上げました。

日々側弯でつらい思いをされているご本人、お子さんの側弯で悩んでおられる親御さん、一度、いこい治療院に電話で相談してみてください。
そして、治療に来て、背骨の側弯の進行は確実に止められ、改善することを親子で実感してください。

手術でしか治らないと言われた側弯、お子さんや親御さんの「深い悲しみ」が、改善という「希望の光」になれるように切に願っています。

2016年12月吉日 
いこい治療院スタッフ一同

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