歩行はダイエットに効果的!ゆるんだ骨盤が太りやすい体質を作る【いこい通信No.21】
「あなたは良いわね、いくら食べても太らなくて。私は水を飲んでも太っちゃうのに」
このような言葉を女性の日常会話の中で耳にすることがあります。
食べても太りにくい人と食べるとすぐ太る人、両者の違いはどこにあるのでしょう。
太りにくい人ってどんな人?

なぜ太るのかと考えたとき、原因の一つとして消費エネルギー(カロリー)を思い浮かべるのではないでしょうか。
確かに、毎日消費するエネルギーが多ければ多いほど食べ物が速やかに燃焼されるため、食べる量が多くても太りません。
しかし、私の経験から申し上げますと、日頃からまめに動いて、よく歩いている方も食べている量のわりに太っていません。
「え?同じこと言ってない?」
いいえ。実は消費エネルギーが多いことと、よく歩いていることはまた違う意味合いがあります。
というのも、歩くことで骨盤(や胸郭)がしっかり引き締まると、脂肪をためこむ空きスペースがなくなるため、太りにくい体質になるのです。
骨盤が締まるってどういうこと?

「骨盤が締まる」とは、骨盤内の仙腸関節(仙骨と腸骨の接触面のこと。ネジのように前後に動く)がほどよく締まり、骨盤全体が小さなハート形をしている状態のことです。
逆に、常日頃から骨盤内の仙腸関節(ネジ)がゆるみ開いていると、骨盤全体が横長のハート形になります。見た目では、後ろにお肉がぶら下がった大きなお尻になります。
お腹に脂肪がたまる仕組み

『太りやすい体質』だと言われる方の多くが、仙腸関節がゆるんで骨盤が外側に大きく開いています。特に、出産後は骨盤がとても開くので、子どもを産むたびにどんどん太られる方もいます。
骨盤内が大きく開くと空きスペースができます。
すると、私たちの体はその空きスペースに脂肪をためてうめようとします。
それはなぜかというと、骨盤内に空きスペースができると、その中にもともとあった内臓がふくれ、機能が低下してしまうからです。内臓機能の低下を防ぐために、体は空きスペースを脂肪でうめようとするのです。
これがお腹に脂肪がたまる仕組みです。
ダイエットするにはどうしたらいい?

骨盤を引き締め、空きスペースをなくしてあげることで、内臓機能は再び高まり、脂肪をためる必要もなくなります。
それをするためには、まず歩くことが必要です。
食事制限やトレーニングも一つの手ではありますが、昨今はCM、インターネット、SNSなどでさまざまなダイエット情報が流れており、良し悪しの判断がつきにくい状況にあります。流行りのダイエットを試したり、脂肪吸引の手術を受けたりして、逆に体を痛めてしまった、なんてことも起こりえます。
しかし、そんなリスクを冒さずとも、私たち人間の生命維持・健康維持に欠かせない運動「歩行」を習慣化できれば、おのずと余分な脂肪は減ります。
それだけでなく、全身の内臓機能が高まり、体内のホルモン産生の安定化、肌荒れの原因ともなる有害物質の排泄など、全身のさまざまな美容効果が期待できます。
補足
たまに「歩いても全然体重が落ちません」と仰られる方がいます。
しかし、客観的に見ると、その方は骨盤だけでなく体全体が引き締まっていて、以前より細く見えます。これは筋肉がついたからです。
最後に
前回のいこい通信No.20でもお伝えしましたが、体重が重い=太っているではありません。
ダイエットしてやせなきゃ・我慢しなきゃ・運動しなきゃ、と自分を追い込む前に、まずは心身の健康のために少しずつ歩行を始められるのが良いかと思います。
歩行のポイントは「肘を曲げたまま、腕を振って、大股で歩く」です。
沼井