「体重が重い=太っている」ではない!ゆるんだ骨盤が肥満体型を形作る【いこい通信No.20】

体型が太い・細いことを話題にするとき、私たちはとりあえず「体重」を基準に考えがちです。

確かに体重は見た目の基準としてとても参考になります。
しかし、体重が重いからといって必ずしも太っているわけではありません。

今回は、骨盤のゆるみと肥満体型の関係についてご紹介したいと思います。

「体重が重い=太っている」ではない

例えば、175cm・85kgの人を思い描いてください。

日頃運動をしていない人だとプクプクとお腹が出ている場合が多いですが、これが日頃から運動をしている人…極端に言えばプロサッカー選手などは細見でとてもスマートです。

同じ身長・体重でもここまで見た目に差が出ます。
つまり、「体重が重い=太っている」ではないのです。

この違いはどこから来るのでしょうか。

りんご型太り・洋なし型太り

まずは、私たちの体の仕組みについて説明します。

私たちの体は皮膚という一枚につながった膜(イメージとしては薄い全身タイツ)で覆われています。

その膜の一部である胴体部分にはハートの形をした器が上下に2つあります。上の器が胸郭(肋骨・胸骨・背骨)、下の器が骨盤です。胸郭と骨盤が広がったりしぼんだり、ゆるんだり締まったりすることで、私たちは生命を維持しています。

しかし、胸郭が広がる、または骨盤がゆるんだ状態が続くと『肥満体型』を形作ります。
ここでは仮に、上の胸郭が広がった型を『りんご型太り』、下の骨盤がゆるんだ型を『洋なし型太り』と呼ぶことにします。

いずれの場合も時間の経過とともに片方だけで収まらず、両方のハートの形が膨らみ、立派な肥満体型を形作ります。これは体が一枚の皮膚(全身タイツ)でつながっているからです。

上の胸郭にしろ、下の骨盤にしろ、どちらかが広がってしまうと、それにつられて胴体全体が膨らむのです。

骨盤のゆるみはお尻の見た目に影響する

よくあるのは、骨盤のゆるみによる肥満体型『洋なし型太り』です。

お尻の見た目は骨盤が「ゆるんでいる」か、あるいは「締まっている」かによって決まります。

ゆるんだ骨盤(開いた骨盤)

「そもそも骨盤のゆるみって何?」

骨盤のゆるみとは、骨盤内の仙腸関節(仙骨と腸骨の接触面のこと。ネジのように前後に動く)がゆるみ、開いている状態です。骨盤(仙腸関節)のゆるみ=ネジのゆるみと思っていただけると、イメージしやすいかと思います。

正面から見たとき、左右の寛骨が鳥の羽を広げたように大きく外側に開き、骨盤全体が横長のハート型をしています。見た目上、後ろにお肉がぶら下がった大きなお尻になります。

さらにこのとき、股関節も外に開く形をとるため、太ももが横にせり出してO脚になり、下半身全体が太く見えてしまいます。

締まった骨盤(閉じた骨盤)

締まった骨盤とは、骨盤内の仙腸関節(ネジ)が締まっている状態のことです。

正面から見たとき、骨盤全体が小さなハート型をしています。お尻はきゅっと上がってよく締まった、いわゆる小尻の見た目になります。

骨盤のゆるみは臓器の機能低下をも引き起こす

問題はお尻の見た目だけにとどまりません。

骨盤がゆるんだままになると、お腹や骨盤内にある臓器(腸・膀胱・子宮・卵巣など)も一緒に膨らみ、機能低下を起こします。そのため、尿漏れや頻尿、便秘や下痢、生理痛などさまざまな婦人科疾患の原因になります。

しかし、整復や歩行によって骨盤が締まると、それらの症状も改善します

最後に

人によっては

「(整体などの)施術・治療を受けて痩せた」
「お肌がキレイになる」
「若返った」など

美容効果についてお話ししてくださることがあります。
目先の数値や外見に囚われず、まずは心身の健康を整えることが美容において大切なことだと私は思います。

沼井