水分・塩分補給を欠かさずに!人は水をかいして熱を捨てる【いこい通信No.10】
暑中お見舞い申し上げます。
昼夜問わず猛暑が続き、今年も熱中症で倒れられる方が多くいらっしゃいます。
熱中症とは、文字通り体の中と外の「熱さに中ること」=「熱が体内に蓄積すること」によって引き起こされる、さまざまな体の不調のことをいいます。
人は水をかいすることで体内の熱を捨てることができますが、脱水状態になるとこれもままならなくなります。
今回は、水がどのような形で私たちの体の熱を捨ててくれているか、簡単にご紹介したいと思います。
水をかいした排熱方法
人の体は、気温が40°を越えるような猛暑日でも、通常の体温36~37°を保つことができます。それは「発汗」と「呼吸」、そして「血液」のおかげです。
①発汗
体温が上がり過ぎると発汗が起こり、汗が蒸発することで体を冷やすことができます。
②呼吸
人には汗腺がありますが、多くの動物は汗腺を持っていません。汗腺を持たない動物は、体を冷やすために他の手段をとります。
例えば、犬は舌を出して、ハーハーと「あえぐ」ことで口中や気管支管内で水の蒸発を起こします。つまり、呼吸によって熱を捨てているのです。
人も同様に、体温が上がると呼吸が大きく速くなります。吸い込んだ空気が鼻や喉を通るときに熱を取り、肺にこもった熱を息と一緒に吐き出します(排熱)。
③血液
血液は主に「水」でできています。
血液は肝臓や脳などの体内に生じた熱を受け、肺や皮膚に運び出すことで熱を捨てます。捨てる熱量が多ければ、皮膚への血流が増しますから、顔やその他の皮膚は赤くなり、脈拍も大きく速くなります。
熱中症とは
猛暑の中、長時間 水分補給をせずに活動し続けると、体内の水分が不足し(脱水)汗は止まります。
汗が止まるということは、熱を捨てることができないということですから、体温は一気に上昇し、脳をはじめとする体内に熱が蓄積します(うつ熱)。
そうすると脳と体、全ての機能が上手く働かなくなります。
これが熱中症の本質です。
水分だけでなく塩分補給も欠かさずに
猛暑を乗りきり、また熱中症を予防するためには、水分補給は欠かせません。しかし、水分の補給だけでは、体の正常な働きを維持することはできません。
水分と一緒に塩分も少量補給し、体内の塩分濃度を保ちましょう。
沼井