姿勢による関節の変形、関節をきれいに保つためにできること【いこい通信No.11】

近年、生活様式や習慣の変化に伴い、体育座りや足の投げ出し座り、横座りなどを日常的にされている方が増えてきました。

誰しも「楽な姿勢」というのはあります。それら全てが悪いわけではありませんが、日常的に、かつ長期的に、繰り返し、繰り返し行っていると、それはいつしか「骨の変形」「関節の変形」として現れてきます。

今回は、姿勢によってなぜ関節が変形するのかお伝えしたいと思います。

体が傾く→圧力が偏る→変形する

本題に入る前に一つ例えをします。

皆さんは家の扉がガタつき、滑りにくくなったことはありますか?やがていろんな部分に異常な圧力が加わって、悪いときは扉が破損することもあるかと思います。

人間の体も同じです。体がねじれたり傾いたりすれば、自然な動きではなく、ぎこちない動きになります。

関節でいえば、体が傾くと今まで関節全体に当たっていたものが一ヶ所に押す力(圧力)が集中したり、滑りが悪くなると関節の摩擦が大きくなり、変形していきます。

では、最も身近で、無意識的にやってしまう体の傾きは何かというと、体育座り・足の投げ出し座り・横座りなどのいわゆる不良姿勢です。これらの姿勢を長期間続けると、骨格を曲げる力として働きます

不良姿勢を続けると何が起こるのか?

日常的に不良姿勢を続けると、骨格を曲げる力、言い換えれば歪みの力が体に働きます。

先程、例に出した扉であれば、歪みの力が働くと最終的には破損してしまいます。

しかし、人間の体は不思議なもので、歪みの力に対して自身の体が破損してしまわないよう、背骨(脊椎)の位置や配列を正常範囲をこえて曲げたり〔異常弯曲〕骨そのものの形を大きく変えたりして〔変形〕、内臓や運動機能を保とうとします。

その結果、いわゆる変形性疾患、「変形性膝関節症」や「変形性股関節症」、「特発性側弯症」、「顎関節症」と呼ばれる状態に発展していきます。

関節を守るためにできること

どうすれば、関節をきれいに保つことができるのか。

結論だけ申し上げますと、「正座」と「歩行」を生活に取り入れることです。

歩行」のポイントは、肘を曲げて、腕をしっかり後ろに振り、歩幅を大きくして歩くこと。
数分のお散歩や、いつもの通勤・通学の中で構いません。歩数をかせぐことよりも、まずはポイントをおさえて歩くことが大切です。

歩行については、いこい通信No.3でも骨盤のお話にからめて簡単に紹介していますので、興味があればぜひご一読ください。

また、「正座」は歪みのない良姿勢であり、体を歪みから守ることができます。一日一回、たった1分でも正座をすることで関節を健康に保つことができます。

正座の大切さについては、また別の記事で詳しくお伝えしようと思います。

沼井