大人だけでなく子どもも?座りっぱなしの廃用性症候群について【いこい通信No.45】
こんにちは、院長の山田です。
長期にわたって安静にし過ぎたり、活動量が減ってしまうと身体的・精神的にさまざまな機能が低下します。それを「廃用性症候群」(または生活不活発病)といいます。
一昔前は「廃用性症候群」とは寝たきりのご老人や病人に起こるものでした。しかし、現代社会においては老若男女に関わらず、大人から子どもまで同じような症状が起きています。
なぜ、寝たきりでもない人たちに廃用性症候群の症状が現れるのでしょうか?
昔は体を動かして当たり前だった
50年前は、今のように全自動洗濯機や掃除機などといった電化製品はありませんでした。
リモコンもなく、テレビの番組を変えるのにも、照明やエアコンをつけたり消したりするのも、いちいち立ち座りをしてスイッチの場所まで行き来しなくてはなりませんでした。
お風呂のお湯を沸かすのにも、ご飯を炊くのにも、薪で火を起こさざるをえませんでした。
生活を回すためには一家総出で動く必要があり、日常生活の中でゆっくりと長く座っていることは許されませんでした。テレビなんかボーっと見ていたらお手伝いするよう言われます。何時間も「座りっぱなし」ということは考えられませんでした。
そんな「体を動かすこと・働くこと」が当たり前の時代ですから、大人から子どもまで肥満の人はほとんどおらず、たいていは筋肉質の痩せ型でした。
食事も、しっかり働くためにはたくさん食べる必要がありました。
学校の校庭や体育館の朝礼で、長く立っていても貧血(起立性低血圧)を起こして倒れる子どもはいませんでした。
今は座りっぱなしの生活
一方、近年はとても便利になり、テレビやエアコン、照明は「座ったまま」リモコンをポチッと押すだけで済むようになりました。炊事洗濯も、お風呂も、トイレの水を流すのもスイッチ一つで終わらせることができます。電化製品によっては声一つ・動作一つで、人間の代わりに身の回りのさまざまなことをしてくれます。
家に帰ればほとんど「座りっぱなし」の日常生活になりました。座っていてもなお疲れたら、今度はソファーにゴロッと横になれる時代になりました。
便利な電化製品のおかげで、昔のように忙しなく動かなくても生活できるようになったのです。
しかし、それによって大人から子どもまで「肥満」が問題になり、太らないために食べないことが普通になりました。
しっかり立って歩くことが少なくなった(長く外を歩かず、自転車か車を利用することが多くなった)ために、ふくらはぎの筋肉が弱く、朝礼で長く立っていると貧血(起立性低血圧)で倒れる子どもたちが多くなりました。
昔は「寝たきり」(廃用性症候群、生活不活発病)のご老人や病人が「起立性低血圧」になっていたのに、今や子どもにまで見られるようになっています。
座りっぱなしの廃用性症候群
非常に便利な現代社会では大人から子どもまで一日の大半を「座りっぱなし」で過ごすことができますが、それが廃用性症候群を引き起こす原因となっています。
長く立っていられず、立つとめまいがする起立性低血圧…
体を少し動かしただけですぐに息切れし、動悸がし、疲れてしまう…
体を動かさないことで体の関節痛、うつ・記憶障害・無気力などの精神疾患、食欲低下や便秘、骨粗鬆症、筋力低下、関節(体)が非常に硬い、肌荒れ、頻尿・失禁、腎結石や尿路結石など、さまざまな問題が起こる…
まさに昔、寝たきり老人・病人に起こっていた廃用性症候群の症状がそのまま現代人に現れ、それが当たり前と化しています。
解消する方法は体を動かすこと
これらの症状は薬を飲んでも改善しません。「しんどいから」「辛いから」といって体を休めていては、いつまで経っても解消されません。時間も解決してくれません。
解消する方法は、座りっぱなし・ごろ寝を止めて他者のために体を動かすことです。
「人」が「動く」で「働く」です。「はたらく」とは「傍を楽させること」であり、重力のもとで人が動くこと、すなわち「働く」です。
また、「幸せ」という文字は「仕合せ」とも書きます。「仕」とは尊い相手につかえるという意味で、他者同士が「仕え合う」ことで相喜ぶことを指します。つまり、「仕事」とは相喜ぶためのことです。
他者のために体を動かすことが相手を楽にし、互いに喜び幸せを与えます。
昔の日本人はそれを言葉の中に智恵として入れていたのかもしれませんね。
山田

