脳と姿勢の問題、脳機能の低下や気分の落ち込みは姿勢と関係する【いこい通信No.17】
姿勢を正すことは、心身の健康を保つための第一歩です。
それに関連したお話で、今回は脳機能と姿勢の関係についてお伝えしたいと思います。
姿勢が悪いと脳機能が低下する
実は、脳機能の低下と姿勢の悪さには関係があります。
お年を重ねるにしたがって背中や腰が丸くなり、歩行量が不足し、脳の血流量が減少した状態が続くようになります。すると、脳機能の低下が起こり、物忘れがひどくなったり、新しいことが覚えられなくなります。
うつやアルツハイマー病、パーキンソン病といった病気も、脳の血流量が減少し、脳機能が低下したことで起こる病気です。
そのため、歩行量の不足や不良姿勢(例えば、首や体の捻れ)が原因で起こっている脳の血流量不足に対しては、姿勢を正すだけでも改善が見込めます。
※不良姿勢・良姿勢に関する詳しいお話は、いこい通信No.11・No.16をご参照ください。
気分の落ち込みと姿勢の悪さ
気分が落ち込んだとき、肩を落として背中が丸くなり首を下げ、うなだれがちになります。しかし、その姿勢は脳の血流量を減少させる姿勢です。
元気をなくした人が目の前にいると、
「無理しないでね。しばらくゆっくり寝て休んだらいいよ」
と優しく声をかけたくなります。
ですが、そこはグッとこらえなければなりません。
そのまま本当に寝込んで動かなくなってしまえば、脳の虚血(貧血)状態が続きます。いつまで経っても気分は落ち込んだままで、物事は何一つ好転しません。
逆に、
「くよくよ悩んでいても仕方がないで!じっとして悩んでるぐらいなら、家の手伝いをしてちょうだい」
と発破をかけ、家の用事をあれこれと任せていると、体が動かす中で脳の血流量が増していくため、元気になっていきます。
気分が落ち込んだときこそ、少し無理をしてでも体を動かす・歩くことが大切なのです。
良い姿勢のポイント
主なポイントは以下の三つです。
- 膝をクッ!と伸ばして立つ
- 正座で座る
- 肘を曲げたまま腕をよく振って歩く
もし、「膝が痛くて伸ばせない」「腰が痛くて姿勢を正せない」などのお困りごとがあったとしても、状態に応じて姿勢を良くするコツがあります。
分からないことがあれば、私どもに一度お尋ねください。
まとめ
八十代を過ぎても、社会や人のために体を動かし、歩き、背筋がピンと伸びて、かくしゃくとされているご年配の方は、いつまでも何事に対しても前向きで意欲的です。
一方、十代・二十代の若者であっても、動かない・歩かない・姿勢の悪い方は慢性的な脳の血流量の不足を起こしているため、何事にも後ろ向きで無気力です。
いくつになっても、どなたであっても、脳と姿勢の問題は起こりえます。
今一度、ご自身の習慣や癖を見直し、姿勢を正してみませんか?
沼井