開閉する骨盤、歩くとなぜ骨盤が安定するのか【いこい通信No.3】

骨盤の安定には、仙骨と腸骨それぞれが骨盤の中心に向かって押し合うことが必要だと、前回のいこい通信No.2でご紹介しました。

しかし、寝腰のように、何らかの理由で押し合いの均衡が崩れる…つまり、骨盤が不安定になると、痛みなどの症状が現われることがあります。

不安定になった骨盤を再び安定させる方法は「歩くこと」です。
ただブラブラと歩くのではなく、肘を曲げて、腕をしっかり後ろに振り、歩幅を大きくして歩くのがポイントです。

なぜ、歩くと骨盤が安定するのか?
今回はそれについてご紹介します。

歩行で腸骨が動く=骨盤が安定する

左右の腸骨は、動作に合わせてそれぞれ前へ後ろへ、内へ外へと動くことができます。
「歩く」という動作を行うと、腸骨は以下のような動きをします。

①足をあげて前に出す
この動作により、腸骨は後方に回転します。
すると、骨盤が内側へキュッと締まります。これは「骨盤が立つ」状態です。

②足にグッと体重を乗せる
床からの力(反力・抗力)がより大きくなり、腸骨と仙腸が均等に押し合うようになります。

①②を繰り返す、つまり「歩行する」ことで骨盤(仙腸関節)は構造上安定します。

歩行のポイント

肘を曲げる
腕をしっかり後ろに振る
歩幅を大きくして歩く

この3つがポイントです。

さらにいうと、30分以上の歩行が体脂肪の燃焼にも効果的なのですが、長時間の歩行に慣れていない方は少しずつでも構いません。1分でも、5分でも、歩行の場面を日常生活の中で増やすことから始めるのが良いかと思います。

沼井