骨盤の特徴と朝起きがけの腰痛「寝腰」の関係について【いこい通信No.2】

お布団で長く寝ていると、起きがけに腰が痛くなることはありませんか?
それでも、痛みを我慢して何とか起き上がり、しばらく動いていると段々と体が楽になってきます。

これはなぜかというと、寝ている間に骨盤(仙腸関節)と脚が自重で引き離され、それを歩行によって元に戻しているためです。

骨盤(仙腸関節)の特徴

骨盤は、肩や指の関節、股関節のように一つの骨と一つの骨が対をなして機能しているのではありません。図のように、背骨の一番下にある逆三角形の形をした「仙骨」を、左右両側から「腸骨(寛骨)」が挟み込むようにできています。これをまとめて「仙腸関節」といいます。

このような形のものが安定するためには、それぞれの骨が中心に向かって押し合う必要があります。特に人の仙腸関節は、上からの垂直の力と左右からの挟む力が同じように伝わるようにできています。

両脚で立つと、上半身の重さが仙骨にかかってくる(上からの垂直の力)のと同時に、床からの力(反力・抗力)が股関節をへて腸骨にかかります(左右からの挟む力)。すると、骨盤を中心に3つの力が均等に押し合って、安定した形を取ることができます。

骨盤と脚が引き離されるとは?

先程、骨盤が安定するためには3つの力が均等に押し合うことが必要だとお伝えしました。

では、骨盤が不安定になるのはどのようなときでしょうか?それは、3つの力が互いに押し合わないときや、3つのうちどれか一方だけの力が強すぎるときなどです。

横になって寝る姿勢を取れば、上半身の重みは仙骨にかからず、足裏も床についていないわけですから、床からの反力も腸骨にかかってきません。さらには、脚自体の重みによって仙骨と腸骨とが引き離されていきます。
完全に抜けてしまうわけではありませんが、わずかに引き離されただけでも痛みとして症状に現われます。それが「寝腰」です。

どうすれば治るのか?

これまでと変わらず、痛くても二本足で立ち「歩く」ことが大切です。
歩くとなぜ骨盤が安定するのか、その理由については次回お話しします。

沼井